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2006年12月 3日 (日)

茶室改装・その19(釘・中釘)

 「釘(中釘・花釘・花蛭釘)の位置を、決めてくんないとね」
と、大工さんが言うのである。

 「あれ? 標準の位置ってないんですか?」
 「今までいっつも、先生(「茶室専門」の大工さんの敬愛する設計士)が決めてくれたんだよ。もちょっと上とか言ってさ」
 「この状態で(畳が入っていないので、部屋全体ができあがりの高さから数センチ下がっている)、「ここ!」というのは難しいので、 だいたいの位置に印をつけてもらえますか?」
 「うーんとね、そしたら、だいたいこれくらい。床から三尺七寸上がり」
 「あれ?・・・低い・・・?」
 「低い? だいたい、今までのは小間だから。小間だとこのへんに打つんだけどねえ。後は、床框から三尺六寸五分に打って、 365日とかいってんのもあるね」
 「あ、そっちの高さの方がしっくりくるみたい。でも難しいですねぇ。花入れ置いたりして、考えておきます」
 「ここに、釘のこと、書いてあるからさ。読んで決めといてね」
 「はーい。宿題ね」


 花釘は、床框の上から三尺三寸(100センチ)ほどから、三尺九寸(145センチ)ほどで、 六寸も隔たりがあるのは寸法を決める人の主観によるからであります。
 中釘は、花釘よりも五分(1.5センチ)から一寸(3センチ)ほど下げて打ちます。
 (中略)結局、花入掛(花釘)の寸法は決まっているものではなく、あなたご自身が決めなければならないということです。
   「自慢できる茶室をつくるために」(根岸照彦著:淡交社)

 この中釘を打つ高さは、茶室の大小により、見た目の調整を行いますが、 床壁中央下から約1メータ10センチ~1メーター113センチの間がよいとされています。(絶対的な高さの決まりはありません)
   「茶の湯疑問質問何でもどうぞ」466 http://www3.ezbbs.net/23/osakazu/

 花生釘(床柱用)
 床框・上場より約三尺七寸程度(床の空間の大きさや花器の種類による)。中釘より五分から一寸上り・ 落掛の下場より一尺一寸下りが目安です。
   大工さんの「宿題」資料


 

 結論。
 決まっていないのである。確かに。
 すべて「茶室により、また花入により異なる」。

 それならば仕方ない。
 鉈籠の花入をしっかと握って、あーだこーだと置いてみた結果は、以下のとおり。

 中釘・床框から三尺六寸五分
 花釘・床框から三尺七寸
 花蛭釘・床の間天井の1/4 フックの先は床の間の真中

 これで釘の位置は決まり。

 と思いきや。
 最難関の釘は、この後に待っていた・・・。

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コメント

3尺6寸5分にして「1年間の出会いの機会への思いを、この釘にこめてみました」なんて理屈をしっかりつけておく。もっと、茶道っぽい言葉があれば最高。

いずれ、このブログは「自宅茶室」を作る人たちの聖地になるので、こういう理屈が「業界標準」になるはず。

少なくとも、まりもさんがオンラインを調べて「茶室づくりに関する情報があまりない」ことがはっきりしたわけです。自宅茶室に関する情報のパイオニアとして、そのくらいのことは、どんどん決めちゃって「業界標準」としての立場を鮮明にしてもおもしろい!いけ、いけっ!

投稿: ふんど | 2006年12月 3日 (日) 12時28分

 いや、業界標準なんてものは、ありそうで、ないのよ。
 ということがだんだんわかってきました。
 「実際に使いやすいこと」
 「自宅の一部を後から直すから不都合があるのはむしろ当たり前。無理をしないこと」
 が大事なわけで。
 使えなくちゃ意味がないのよ~という話を、これからします。

投稿: まりも | 2006年12月 4日 (月) 07時25分

物事を決めるときに「理由」が必要なんだから、それを「言葉」にしちゃえ、ってことです。

柄杓の話で言えば、「自分が使う柄杓をかけて、下に1寸余裕があること。1寸は『ちょっと』とも読むから、ちょっとの余裕が大切なんです。」というもっともらしい意味づけもしてあげると理由もわかるし、覚えやすい。

これまでは、理由が言葉になっていなかったから、きっと「数字」だけを見ていたのだと思います(まりもさんだって、「標準の高さってないのか」と、当初に確認しているわけで)。

柄杓で言えば、「柄杓がかかること」に本来意味があるにもかかわらず「見た目」や「数字」で決められそうになったことが問題なんですよね。

「なぜこの機能が必要なのか」をわかりやすい形にしてあげるってことは、きっと「茶室建設業界」の皆さんに貢献することに違いない。ひいては今後茶室を自宅に造ろうと考えている人たちに、「知恵と勇気」を与えることだと思います。

先人の知恵、ってやつで。そういうのお好きでしょ?だったら、貢献もしておかないと。

「教訓」としてとりまとめていけば、ほーら、あっという間に新たなブログネタです・・・。

投稿: ふんど | 2006年12月 5日 (火) 07時44分

 そんなあおられても、ねぇ。
 大層なことはこっぱずかしいので苦手です。
 書くのはいくらでも書きますが。

 こんな資料があると便利だなーというのは、実はもう頭の中にできてます。
 でもだからほら図面にするのがめんどくさいんだってば。
 相変わらず、図はペイントでちまちま描いてるもので。

投稿: まりも | 2006年12月 8日 (金) 00時23分

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