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2013年4月27日 (土)

汐留ミュージアム「幸之助と伝統工芸」

 「日本工芸会東日本支部」のtwitterで

 「パナソニック汐留ミュージアムで『幸之助と伝統工芸』(2013年4月13日(土)~8月25日(日))が開催されるそうです。(中略)講演会などまだ空きがあるそうなので、ご興味のある人はどうぞ。」

と流れたのは3月中旬のこと。

【講演会「松下幸之助と茶道」】
 出演 鵬雲斎千玄室(裏千家第十五代前家元)
 日時 4月27日(土)13:00~14:00(開場12:30)
 参加費 無料
 ※聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。※要予約(定員350名)
 会場 パナソニック東京汐留ビル5階ホール

 こりゃおもしろそうと電話したら、あっさり2枚とれちゃった。
 なーんて便利。

 で、連休初日。

 確か3回目の汐留ミュージアムは、いつもながら天井が高く明るく、でも、今日は人が多いぞ。しかもきもの。

 12時10分に受付を済ませると、「ゲスト」と書かれた、首からぶらさげるプレートを渡され、このまま、開演までホールでぼーっと待っていないといけないのかなあと思いきや、

 「当日でしたら何度でも入場可能です。先にホールで席をおとりになって、それから展示をご覧になっても・・・」。

 ありがたい。しかも観覧券は600円(!)(←ホームページ割引後

 室内は混んでいるけど、展示品が見られないということもなく、
 いいなあすごいなあ、どれも丁寧でおだやかでずーっとみてたいなあ、しかも人間国宝の作品ばっかりだー。と見ていたら、あっという間に7分前。

 ホールは満席。

 そして、きっかり3分前に、大宗匠(裏千家第15代前家元)登場。
 (せっせとパンフレットを読んでたら、突然、周りが立ち上がったのでなにごとかと思ったら、大宗匠が入ってこられたのでした。びっくりした・・・)。

 途中入室者、退室者、ゼロ。これもすごい。

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 松下さんと父(裏千家第14代 淡々斎)とは、会った瞬間に一体感があったそうです。会った途端に「お茶をやらないかんのやないか」と思った、と。今、簡単に絆って言うけど、お互いに心をひかれるような出会い、結ばれていくという運命。

 「わびってなんでしゃっろ」と訊かれたので、「本当のわび、とはなにかわかりません。ですが修行してきて言えることは、「不完全な美」ではないかと思う。inperfect beauty。正直にして慎ましやかにしておごらぬさま。これがわびです」と申し上げたら、「「不完全な美」はよ
うわからんけど、後ろの方はようわかる。正直で慎ましやかでおごらない。人間にとって、これほど必要なものはない」とおっしゃいました。

 道具も派手なものは嫌い。銘が好き。取り合わせが好き。組み立てていくのがいい。
 好きだから、大事に扱って、その大事なものを出してくれる。
 訊ねていく人は茶室に案内されるんですよ。そりゃ緊張しますよね。松下さんが炉のところであぐらかいて点前して、・・・帛紗さばきまではちゃんとするんですよ。あとは勝手に、私も御自由に、と。
 「まあ一服召し上がれ。好きなようにお飲みなさい」と言ってくれて、安心して飲める。そうすると、あかんと言われても、心おだやかに帰ることができる。

 道、wayという言葉もよくお書きになってました。
 志した以上、目に見えない道を歩んでいく、歩む以上は一生懸命歩く、歩くことによって心を変えていく、わからなかったことが、ああそうなのかとわかるようにもなってくる。宋の時代に先憂後楽という言葉がありますが、現在は逆になっている。今がよければそれでいいというような。

 人間の「四苦」、生・老・病・死、をのぞくために、釈迦の「八正道」の中で一番大事なのは「正見」です。正しくみる、ものごとを素直にみる。

 おもい、と漢字で書いてみてください。「思」。生まれたときに田を与えられている、その田を耕すのは自分、田は大きくなったり小さくなったりします。

 思いと道をあわせて考えることで、松下さんに近づけるかもしれません。

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 きっかり13時55分に講演終了、入ってこられた扉から退出されるのかと思いきや、
 花束をかかげ、笑顔で手を振りながら、中央通路をゆっくり進み、後方の扉から出ていかれました・・・。

 「昔ねえ、若宗匠だった頃、模範点前をされてたのが、もう、しゅっとして、格好よくてねえ・・・。今も背筋がぴんとして、すごいねえ」と同行した母も懐かしんだり驚いたり。

 展示室で再び鑑賞した後、もうやめよう絶対買わないと思っていたのに、またしてもミュージアムショップで図録を買ってしまい(普通の図録に見えますが、軽くて判型が小さくて、中の写真が大きく実にいいので、ついつい)、・・・明日のEテレ「日曜美術館」アートシーンに、展示会が紹介される、というのを心待ちにしております。

 和敬清寂、お茶の心というものは、素直な心にあるということです。
 静かな心持になると、今の言葉で言ったら、素直な心という言葉に置き換えられますな。
 お茶をやる人は、本当は素直な心にならんといかんわけです。
 素直な心なくして本当のお茶人になれないですな。
 だからお茶をやる人はいつでも素直な心を持って周りのものを見ていくということですな。
 だから戦争しててもね、一夜明ければね、素直な心になって、静かに一番のお茶を飲んで人生というものを味わうと。
 そうすると昨日の戦争はまずかったということになってくる。
 勝ってやろうとか負けようとか、
 そんなふうにとらわれず、それを超越した道がわかるわけですね。
 それがお茶の一服の価値じゃないかと思うんですな。
   (展示パネルより:ちょっと写し間違いがあるかも)

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