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2015年6月11日 (木)

金沢補遺

 「小松、いいところですよー」と力説したら、
 「金沢も、行ってきた? 今月末に行くんだけど、富山から回って、ちょっとしか、いられないのよねえ。どこかおすすめのところ、ある? 食事するところとか」と、訊かれました。

 「えーっと、まず、兼六園とか21世紀美術館とか、茶屋街、武家屋敷あたりは、たいへん混んでると思われます。バスに人が満載でした」
 「やっぱりねー」
 「金沢駅構内というか、改札内からも改札外からも入れるところに「あんと」っていうおみやげをいっぱい買えるところがあるんですが、その中に、食事できるところがあって・・・お酒は、召し上がらないですよね?」
 「わたしはいただかないけど。一緒に行く方が、飲むかも」
 「加賀屋の「ほろ酔いセット」にしたんですけど、おいしかったです。お刺身と治部煮で。ほかのもおいしそうでした。土曜日の夜、7時くらいでも混んでなくて入れました。繁華街まで行けばそれなりにいっぱいあると思いますが」
 「たぶんその日は、着いてご飯食べるだけでいっぱいだと思うから。駅にあるなら、いいわねえ」

 飲んべえなら、「金沢地酒蔵」の飲み比べセット、そしてつまみで出てきた「からすみもどき」(「杉野屋」の「からせんじゅ」)をお勧めするところですけど、飲まないひとだと、ねえ・・・。

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 駅から歩いて1キロくらいの距離なら、近江町市場があるけど、日曜日・15時の近江町市場はほぼ店じまい、「あくまで市場ですから。観光地になるかならないか、店によって考えてるところ、ですから」といった風情だったしなー。

 あーでも、近江町市場すぐそばの「黒門小路」での、「角打(かくうち)」(酒屋で立ち飲みをすることだそうです)は手軽でおいしかった。たいがいの買い物なら、「あんと」と「黒門小路」で用が足りそう。

 今回のめっけもんは、からせんじゅ、日本酒「宗玄」、それと、「器茶漬け」(佃の佃煮)。(前々回は不室屋だった。今ではあちこちで買えるようになってありがたいけど)。

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 小松で合流後、試飲×9種類(ふたりで9種類です)で、ほけーとしながら歩いてると、
 近江町市場からほんの少し外れた通りは、こんなことになってました。
 偏在が激しい。

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 駅はきらびやかなのにねえ。

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2015年6月 8日 (月)

2日目さらに続き・小松(松雲堂と小松うどん)

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 家人と小松駅で合流するまで、あと2時間。(もともとはこの二泊三日、ボーイスカウト日本連盟全国大会に参加する家人と、往復の新幹線だけ一緒に行く、という趣旨でした)。

 このままふらふらと、寺院巡りもいいかも、美術館もあるのかと思いながら歩いているうち、

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 おや、またなにか見つけてしまった。

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 ジャパン九谷のふるさと「松雲堂」

 「どーぞどーぞ、ぜひ入って、見ていってください」

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 ・・・家の中に、ずどんと窯がある。

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 「これは、実際に上絵付けに使われた「錦窯」です」
 「ここは、もともと窯元だったんですか?」
 「そう、もとは九谷の窯元だったんだけど、余所にうつられて。それで、その後を徳田八十吉さんがお持ちだったのを手放されて、今はこうやって、みなさんに見ていただけるようにしてるんです」

 土・日は開いてるんだそうです。

 「町家をね、ぜひ見てってください。ゆっくり中までどーぞ。写真? どーぞどーぞ、どんどん紹介してください」

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 頑丈な蔵の扉。

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 広々とした廊下。

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 加賀藩ゆかりの、群青色の壁。

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 よく見ると、座卓の下に炉が切ってある(!)

 「ここ、茶室として使えるんですか?」
 「使えます使えます、営利目的じゃないとね、えらい安いんですよ」

 あとで調べたら、営利目的じゃない場合、全館1日、1,000円ですって(!?)

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 高い天井。

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 24畳の板の間。
 「ちょっとしたくつろぎスペースとしてお立ち寄りいただけます」って案内にあるけど、

 コーヒー 300円
 エスプレッソ 300円
 加賀棒茶 100円
 ほうじ茶 100円
 緑茶 100円
 クッキー 120円(飲み物とセットにすると100円)

 途中、四代徳田八十吉の作品を探してる、という方がひとり入ってきただけで(少しだけど四代含め、作家ものも販売中)・・・長時間くつろぎました・・・。

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 「ねーこれすごいでしょう、いいでしょう、玄関の戸にね、昔の九谷を使ってるんです」。
 もと、九谷焼の営業の仕事をされていた、という案内の方からいろいろ話をうかがう。

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 「外もぜひよく見てね。昔の写真の、まんまだから」(蔵に展示してある写真と比べたら、ほんとでした)。

 そうこうするうちに、あと1時間。そしてお昼過ぎ。

 「お昼、このへんだとどこがいいですか?」と訊ねたところ、

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 即答。「小松うどん」。
 「小松うどんってのは、うーん、讃岐うどんほど、しっかりしてないというか、でもするっといくというか、とにかく。おいしいから」

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 「駅の中にある店がおいしいよー。出汁がまた、おいしいから」

 おっしゃるとおりでした。
 お土産店のうどんはボーイスカウトがしこたま買った後で、ちょっとしかなかったのが、残念無念。

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2015年6月 4日 (木)

2日目続き・小松(そして行松旭松堂)

 「お菓子は、ゆきまつきょくしょうどうの、夕螢です」
 「ああ、ゆきまつさんねえ」
 「おいしいもんねえ」
 「全国的にも、有名みたいですよ」
 「へー、いつも食べてるからよくわかんないけど」

 広間でお茶をいただいたときの、席主と地元の方との会話。

 そしてここが噂の、

 小松で一番古い和菓子屋さん、だそうです

 行松旭松堂

 茶事で干菓子をいただいたことがあって、それがまたおいしくて、小松に行くと決まったときには、やったー、ここに寄れると小躍りしたんだった。

 お店に入ると、先ほどの玄庵にもいらした、富山からのご婦人方が。
 「あらまあ」「どうも」とにっこりして、お先に、と袋を下げて帰られた。
 並んだ主菓子の中に、同じく「夕螢」という銘のお菓子がある。

 「あら! これ、さっきの」
 「あちらでお出ししたのとは、ちょっと違うんですけどね」と、さきほどのバージョンも見せてくださる。
 繊細で丁寧できれいな主菓子がずらり。

 「小松に来るなら、ぜひうかがいたいと思ってたんです」
 「どちらから? え、埼玉? まあ、遠くからわざわざ、ありがとうございます」
 「このお菓子、いただきたいのは山々なんですが、明日じゃないと食べられないので・・・持ち帰りは難しいですよねえ」
 「だいじょうぶですよ、今朝作ったばかりですから。明日でも召し上がれます。保冷剤もお付けしますから」

 ほんとー!?

 「じゃ、ぜひ、いただきたいです。で、あの、先ほどのお菓子をいただくわけには」
 「だいじょうぶです、いくつご用意しましょうか?」

 保冷剤をつけて6つ、包んでくださった。
 それから、雪花糖を4箱。ほかにも持ち帰れそうなお菓子がたくさんある。うー、でもこれ以上持てない。(未だに肩が治らないので、ちょっとしか荷物が持てない。こんなときに口惜しい)。
 「また小松に来たら、必ずうかがいます!」(二回目)。

 夕螢
 「夕螢」(仙叟屋敷ならびに玄庵公開・呈茶バージョン)。

 新幹線の中で、180度ひっくり返るというひどい目に遭わせちゃったので、ちょっとひしゃげてます、が、翌日無事に、そしてあっという間に各人のおなかに収まりました。

 「おいしー。黒胡麻の味がするー」と目を丸くしてました。
 それにしても、これでひとつ270円って・・・。いいなあ、小松市民(二回目)。

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2015年6月 1日 (月)

2日目・小松(まずは玄庵)

 2日目、朝。
 金沢駅の写真でよーく見る、鼓門は、近寄るとこんな感じ。

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 中にがっちりした鉄骨が見えます。

 さて。
 金沢駅から今回の目的地、小松へは普通電車で30分、500円。
 埼玉県民からすると、「30分=近い」という感覚。
 (もっとも、「ボタンを押して、自分で電車のドアを開閉する」のは新鮮)。

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 小松駅前。
 広々とした、歩きやすい道でどこまでも散歩できそうだけど、

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 芦城公園をふらふらしてるだけでも気持ちいいんだけど、

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 目的は、そこじゃない。

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 ここ。「仙叟屋敷ならびに玄庵 一般公開と呈茶」。

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 「お気軽にお入りください」(呈茶料:500円)。

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 玄関から寄付、畳廊下を通って、
 すぐ広間へ。
 点て出しで、おいしいお茶とお菓子をいただく。(お菓子については改めて)。

 「埼玉から、「淡交」の記事みて来たんです」と話すと、
 「ええっ!? また、ずいぶん遠くから」と喜んでくださり、「そりゃあ、中を説明してもらわなくっちゃ」と、案内の方に話をしてくださった。

 「まあ、ほんとにおいでいただいて、ありがとうございます」と、案内の女性も嬉しそうにどんどん見せてくださる。「写真? どうぞどうぞ。ブログ掲載ですか? 人が入らなければだいじょうぶです」。

 ということで、

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 【玄庵】「仙叟好み」の趣を、茶道裏千家十五代家元鵬雲斎千玄室氏が現代風に設計されたもの。(パンフレットより)。

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 床がふたつある。

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 台目床。床柱は栗材。
 北山杉の床框にある凹み(エクボ)は、七つ。
 「エクボは奇数と決まっているんですね」。

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 壺床。(前田利家が仙叟に茶壺を贈ったことにちなんで、壺が置ける構造)。
 床板は赤松の一枚板。床柱は皮付赤松。下地窓の内側に掛障子。

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 釘箱棚(裏千家・無色軒にある釘箱棚の写し)は、取り外し可能。
 底板が桐で、そのほかは赤杉。

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 貴人口と躙口。
 「この躙口は、現代人の体格に合わせたり、鎧をつけても入れるように、やや大きめになっています」。

 設計施工は中村外二氏。
 「銘木をふんだんに使ってあります。鵬雲斎大宗匠もいろいろ注文なさって」。
 「畳も小松のイ草を使ってます。小松特産のイ草は太くて短いので、田舎間に使うんですが、ここは京間なので、一年がかりで背の高いイ草を育てて、京都の職人に仕上げてもらってます」。

 さらに、「総工費は約1億8千万、つくばい周りの工事なども入ってますけど、そのうちの約3分の1が玄庵に使われてます」とさらり。

 ここで改めて、さきほどお茶をいただいた広間へ。
 (玄庵と広間はつながってるけど、関係者以外は外を回る)。

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 十二畳半の広間。

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 床柱は北山杉の天然物の、縮緬絞り。
 (人工のものは絞りが浅く短い、そうです)。
 富山から、やはり「淡交」の記事を見ていらした方々とともに、ほほぉと眺める。
 
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 天井板は九州の赤杉で、床脇、床の間、琵琶棚遠しの一枚板。
 (これ1枚で、300万、とか)。

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 十二畳半の広間と十畳の広間を仕切る、襖。京唐紙の布袋桐模様。(後で知ったけど、室の大きさにより桐模様の大きさが変わってたらしい)。
 欄間は捻り梅。
 障子は美濃手漉き和紙、京都の職人による「石垣張」。

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 十畳の広間の壁床。

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 つくばい。
 手水鉢(滋賀県江州石)
 前石(能登滝石)
 湯桶石(富山神通川石)
 手燭石(木曽石)
 後石(能登滝石)

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 露地門。
 石置き屋根(仙叟が京都裏千家の腰掛待合の屋根に取り入れた)。
 手前に見えるのは花岡岩(みかげいし)。

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 外露地。
 手前の四角は、大炉野点用。中抜けの平石(戸室石)。
 赤戸室石を横に並べて、大寄せの茶会ができるようにしてある。

 ・・・もちろんこれ全部覚えてきたわけじゃなくて、
 展示資料も、どうぞどうぞと写させてもらえたのです。
 後で気付いたことも多数。よく拝見すればよかったよー。

 と言いつつ、なんとも居心地のいい空間を、
 「どうぞごゆっくり」のお言葉に甘えて、ずいぶん長く堪能しました。

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 「小松に来たら、また絶対、うかがいます!」と幾度もお礼を言って、
 帰りがけに、玄庵のにじり口を違う角度から。

 ここでのお茶会がいっぱいあって、いいなあ、小松市民。

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