カテゴリー「図解・草人木」の2件の記事

2011年9月12日 (月)

十五夜・うぐいす・月点前

  茶箱の「月点前」には、

 「うぐいす」を使います。

 「香道の七種の道具のひとつ」
 「月のきれいな頃は風も強いので、茶筅が倒れないように」

 こうやって、

 ざくっ
 器据(きずえ)に、うぐいすを突き刺して、

 うぐいすに茶筅がドッキング
 茶筅を立てる。(写真は、うぐいすに茶筅を立てる途中)。

 茶筅が倒れるくらい風が強けりゃ、茶碗にもいろんなものが入るよなあ、と、思ったりもしますが、それはさておき。

 数年前のこと。
 叔母から譲り受けた器据(未使用品)に、うぐいす(付いてなかった)を買って、おそるおそる・・・

 どこに、刺すんだろ。

 板に、がしっと、U字の針を刺すわけで、
 確実に跡が残る。
 へんなところに刺したら、それでおしまい。

 「このうぐいす、最初に刺すとき緊張しましたー。このへんかなあと狙いを定めて」
と、月点前のお稽古後に話したら、

 「あら。うぐいすを立てる場所って、決まってるのよ」

 測った図を拝見したところ、
 うぐいすを差し立てる位置は、器据の縦1/4、横中央。

 「新版 茶道大辞典」の「うぐいす」の項には、
 「・・・定めの位置に突き立てて茶筅立てとする」
とあるので、いろいろ本をあたってみましたが、「定めの位置」についての記載は見つからず。
 「茶箱の鑑賞と点前」、「茶箱点前全伝」(新版・旧版とも)に掲載の写真を測ったら、ほぼそのくらいでした。

 考えてみたら、「そりゃそうよね」の位置。

 自分のを測ってみたら、
 横は中央で合ってましたが、
 残念、縦が1㎝下。
 やはり茶筅の位置が下がってみえます。

 そんなこんなで、
 本を探したり、
 測ったりしているうちに、

 「月点前」そのものをする時間(うそ。気力)がなくなりました。

 仲秋の名月

 ・・・満月がくっきり見えたので、よしとします。

*月点前:茶箱点前の一つ。裏千家十一代玄々斎が創案したもので、器据・うぐいすを利用して茶筅を立て、独特の雅趣を出した点茶法である。香合も茶箱に仕組み、香をたくなど、茶箱点前中で最も美しい点前とされている。(新版 茶道大辞典

追記 2011/09/14 19:45
 「きもの大長」さんから、「なんで、うぐいすっていうんでしょう」というコメントをいただきました。
 裏千家ホームページ・「お家元と一問一答」にずばり回答が載っていましたので、引用します。

◆問◆(NO.44)
 茶箱・月点前で、茶筅を立てる器具を「ウグイス」とお聞きしましたが、その名の由来をお教え下さい。
◆答◆
 『安斎随筆』十八巻の続後拾遺和歌集の中に「あかなくに折れるばかりぞ梅の花香をたづねてぞ鶯の鳴く」という歌があります。その歌から後水尾天皇の中宮・東福門院様が使用済みの香包をさす竹や金属製の中央がやや太く丸みをもった棒状の香串をウグイスと命名されたという説があります。香を求めて止まるということからウグイスとされたようです。後に玄々斎が月点前に用いる木据に茶筅を置くために香道のウグイスをU字形に曲げられました。

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2011年2月13日 (日)

畳の大きさ・畳の目数

★畳の大きさ(幅は長さの半分)
 「京 間」長さ六尺三寸=191㎝
 「中京間」長さ六尺=182㎝
 「江戸間」長さ五尺八寸=176㎝
  (「茶道文化検定公式テキスト 1級・2級用」 p238)
 畳の大きさが、関東と関西では違う、と知ったとき、まず疑問に思ったのは、
 「「3目に置いて」とかいう、畳の目のサイズが、ひょっとして違うわけ?」でした。
 点前中にいちいち数えるわけにはいかないし、身体感覚で覚えることだし、と思ってはいても、なんとなーく、どこかでひっかかっていて。

 おととし(もうおととしかい!)、裏千家青年部研修で宗家訪問した際、ああ、やっぱり、畳が大きい(そして固い)、と体感しましたが、畳の目を数える余裕はなかったので、疑問はそのまま。

 雪が降ったりなんだりで外出できなくなったので、以前、おもしろそう! と思って買った(そしてそのままにしていた)「”しくみ”で解く茶室」(竹内 亨/著 風土社)を読み始めてみたら、

 10年来の疑問が、解けました。
 もしも目数が63だとすれば、その畳は折紙つきの京畳です。62と半分だったり畳毎にばらつきがあっても、とにかく63ほどであれば合格です。キッチリしないのは畳師のせいではありません、大工の責任です。ちなみに江戸間は58ほどです。(p23)
 京 間191㎝÷2÷63目≒1.51
 江戸間176㎝÷2÷58目≒1.51

 同じ(!)
 そして、3.03㎝の半分、つまり、半寸だったのね、畳の目って。

 なるほど、すべてが腑に落ちます。
 「茶人にとっての座標とは、なんと畳の目なのです」(同、p23)という、意味も。
 
 京間の平面寸法は「畳割(たたみわり)」といって、畳の大きさを基準として、その外に柱の位置を決める。(「茶道文化検定公式テキスト 1級・2級用」 p238)
 
 関東は「柱割(はしらわり)」といって、柱の心から心までの距離を基準寸法とする平面計画で、一間が六尺であるから、そのあいだに敷く畳の寸法は、五尺八寸×二尺九寸となる。(同、p238)
 
 (なつかしの、「イエスマイハウス」で作成)。

 なんか微妙な図になってますが、
 京間は畳優先(柱を外に建てる)、江戸間は建物優先(柱の間に畳を敷く)、ということで。
 長さの比率に従って、図は江戸間を京間の92%にしてありますが、ぱっとみるだけで、全然広さが違うのねえ、という印象です。

 畳の敷き方などなどによって、もちろん異なってくる可能性はありますが、一応の整理がつきました。

 「畳の縁から16目に座る」とか
 「貴人畳の畳縁から16目に棚を据える」とか
 「花月札は、3目に送る」とか
 つまり、畳の目(というか線)と膝線が平行の場合は、資料でも目数が明示されている。
 目のサイズ(1.51㎝)が同じなので、どこでも問題なし。

 畳の短辺(というか幅)に対しては、
 「畳の中央に置く」とか
 「勝手付より7~9目に置く」とか、割と寛容。
 京間、江戸間、などによって幅が違うから。(京間と江戸間では約7.5㎝違う)

 客座は、目数が決まっていた方が揃うのできれい、
 点前座は、亭主の体格などもあるので、ゆるやか、
ってことになるのかもしれませんが、それはもう推測です。

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