カテゴリー「茶道」の320件の記事

2017年6月13日 (火)

天命釜・天明釜

 原宿から上野へ。
 午後は東京国立博物館の平成館大講堂で、淡交会の支部総会と、「天命釜の不思議」という講演会。

 ちょうど「茶の湯展」の最終日。どこから入るんだろう? と思っていたら、茶の湯展とは違う入口から、ラウンジの鶴屋吉信・喫茶コーナーの端にロープを張った通路を経由して、講堂に行けるようにしてました。なるほどー。

 講師は、天命鋳師の若林秀真(ほつま)先生

 スライドを交えつつ、天命鋳物の歴史から、釜のこと、手入れのこと。

 「よく訊かれる質問なんですが、「「天命」と「天明」はなにが違うんですか?」」

 答え。

 「土地の名前なので、どれも同じです。土地の呼び方が変わっていっただけで」

 天命(佐野庄)→天明→佐野町→佐野市

 なるほどねえ。

 帰り道でみつけたこのページが復習になります。→ 天明鋳物-千年の歴史

 「松風」のこと。
 松風→釜の湯が沸いてくると鳴る音は、つまり気泡が消える音。内側がでこぼこしていれば、気泡が出る、というのを釜底を撮影したビデオで見せてもらって納得。「松風が鳴っている温度を維持するのがおいしいお茶」と、どなたかと大宗匠との対談にあるらしいです。

 松風に関連して紹介された本。今度読んでみようっと。

 

 配布された、どの茶会になんの釜が使われているかという資料(「茶会記にみる釜一覧」)が、じっくりながめるとおもしろい。今回は「定張」の説明が主だったけど、「のかつき」も目につくねえ。「釣物」「自在」があちこちにあるから、3月じゃなくても釣釜らしいねえ。「フトンノ釜」ってなんだ? 「にうたうくも」? 「こんほうのかま」?

 ・・・調べ始めるときりがない、という予感だけはあります。

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2017年6月 6日 (火)

明治神宮文化館(伝統工芸日本金工展)

 御苑散策を堪能した後は、「第46回伝統工芸日本金工展」。
 以前行ったのは石洞美術館で、なんと2012年。5年前とは!!

 友人と概ね10時に、直接会場で会おうねーということにしていたら、

 「明治神宮文化館宝物展示室、じゃなくて、明治神宮の宝物殿に行っちゃったので、代々木から原宿まで一駅乗っていきます!」と連絡が来ました。そーかー。気付かなかったけど、紛らわしいのね。

 それでも会場前でぴったり遭遇。2階へ上がると、友人とわたしの他、男性がひとり。胸にピンクのりぼんをつけた方がふたり。今日ご担当の作家先生だなー、おそらく。

 ほー、と眺めていたら、隣の男性に「こうやって作っていくんです」と先生が説明している。そこはもう、便乗して聞いていると、こちらを向いてくれる。

 「この黒い部分ですね、これは赤銅です。銅に、少し金を混ぜるとできます」
 「赤銅って、黒なんですねー。もっと赤いのかと思ってました」
 赤銅色に日焼けした、は、相当黒いってことだったのか。
 「この金色は金、このグレーは四分一(しぶいち)といいます」
 「合金ですか?」
 「そうです、銀と銅の合金です」
 「金属と金属を合わせるとき、温度は関係あるんですか?」
 「温度・・・? いや関係ないですねえ。配合だけです。金工は基本的に全部計算してやってますから」

 なるほど。

 「これは鋳物ですね。溶かした金属を型に流し込んで、で、別の金属を入れてます。さすがに中は見えませんから、計算しても、そのとおりにはならないので難しいです」
 「そこばっかりは火におまかせの部分があるということですか?」
 趣味で陶芸をやっている母が、いつも「最後は火におまかせ、そこがいいのよぉ」と言っている。
 「そうなりますねえ」

 そして、もはや列品解説になってる。贅沢。

 「これは杢目(もくめ)です。バームクーヘンのように、薄くいろんな金属を重ねて、ぐにゃっと曲げてます」

 「金属の色って、錆なんですよ。ここの銅も、もとはピンク色です。磨くと同じ色になっちゃいますから。真新しい10円のピンクもね、色が変わっていくでしょ」

 「ここ、もやっと金色が見えるんですけど、これはどうなってるんですか?」と訊くと、
 「ちょっと待っててね」と、単眼鏡を持ってきて貸してくださった。
 「ひとつひとつ彫って、上から金を重ねるんです」

 おおっ。確かに。よーく見える。もやっとした金色は、単眼鏡の中でひとつひとつ、精緻に穿たれてる。

 さらに、「こうやって見ると、よくわかります」、と、帯留や小箱のコーナーへ。

 「これは、(金属を)全体に被せてあって、こっちのは上にのせてます。横からみると違いがわかります」

 またもや単眼鏡をお借りして、しゃがんで横から見ると、
 「おおっ。ほんとだ、わかります!」

 「これは、布目象嵌。布みたいに見えるでしょ」
 「はい、よく見えます」

 茶碗の展覧会では、高台を見たいからかがむ、ことが多いけど、ついに、金工の展覧会でもかがむ人としてデビューしました。そんで、今度は単眼鏡を忘れないようにしよう・・・。

 そろそろ人が増えてきて、「ごゆっくり」と先生がその場を離れた後、ひとつ問題が。

 「なんかさー、目ですぐわかるのが・・・つまんなく見えちゃう病に罹った」

 こまかーい細工を、単眼鏡でじっくりみたい病。
 主に釜を見に来た筈が、どーしてこうなった。

 さらにこの後は、「天命釜の不思議」という講演会。

**

2017/06/08追記:
 以前買った本ですが、改めて金工の部を読み直したら、立体的に頭に入ってきました。
 「日本伝統工芸 鑑賞の手引」((社)日本工芸会 編/芸艸堂)

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2017年6月 4日 (日)

明治神宮~清正井(きよまさのいど)

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 神宮橋から思わず撮った写真。
 ついつい、電車も入れてしまいました。

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 本日の目的地その1は、何年ぶりかの、明治神宮

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 8:50。落葉が道の真ん中に掃き寄せられてます。
 十数年前、友人が「パワースポットだー」と言い、わたしは「(まだ新しくなる前の)根津美術館に行くー」と言い、明治神宮で待ち合わせて展示替えごとに行ってました。今思えば、なかなかの距離を歩いてたなあ。

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 今日の待ち合わせにはずいぶん余裕があるので、御苑散策。
 「御苑維持協力金」500円。

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 あずまやって「四阿」とも書くのかー。知りませんでした。

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 四阿から、南池の睡蓮が向こうに見えます。 

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 ・・・写真にすると、あんまりきれいじゃない。

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 かっこいいカメラを構えている人が、そこここに。

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 少し高くなっているのは、隔雲亭。

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 ・・・お茶会に最適と思われます。

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 花菖蒲田。見頃には、まだ少し早かった。

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 待ち合わせ前の目的地、清正井(きよまさのいど)。
 「都合により飲用を禁止します」の立札。

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 どれくらいの温度か気になるけど、

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 「手を入れてはいけません」。

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 夏の点前、名水点で、「明治神宮の、清正井から汲んでまいりました」なんて言いつつ、あれ?今飲めるんだっけ? と疑問を持っていましたが、これからは、はっきり嘘として言えます。

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 いずれにしろ、…そのまま飲むには勇気が必要。

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  さて、次は待ち合わせの場所。
 「第46回伝統工芸日本金工展」。
  明治神宮文化館宝物展示室。

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2017年4月23日 (日)

牡丹の茶会

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 お誘いをいただいて、今日は牡丹の茶会。

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 高田馬場にこんな牡丹の名所があるなんて、知らなかった。

 人出はさほどでもなく、写真を撮ると人がかぶっちゃうくらい。
 傾斜がきつく石段が多いので、法事の人は難しいようと思ってたら、横にちゃんと坂道がありました。

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 「今、ちょうどウォーキングの方達が入ってらしたところで・・・」ということで、受付を入った後、茶席の前で少し待ちます。 

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 牡丹をあしらったお茶券に、入場の印で蝶のスタンプ。おしゃれ。
 いーなぁ、ウォーキングに来て、ふらっと入れる茶席。

 薄茶一服500円~、と気軽な気持ちで入ったら、広い茶室(後方に椅子席もあり)。静かに、でもきびきびと動くスタッフのみなさん。道具もすごい・・・。(主茶碗が、覚入の赤樂・銘「牡丹」でした)。
 
 そして、おや、先日、転合庵で見た風炉先屏風。
 (写真は作家さんのページへ→ design studio shimada )
 何回見てもいい。何回でも見たい・・・またどこかで拝見できるといいなあ。

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 別名・牡丹寺は、東長谷寺・薬王院

 ということで、お菓子は奈良・松月堂の「きみごろも」でした。
 一見、「卵焼き? 油揚げ?」といった様子ですが、中がふんわりメレンゲ状、さっくり甘い味。長崎のカスドースにも似てるけど、もっと軽やかな甘さ。

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 牡丹だけじゃなく、桜もはらはら舞って、なんともいい季節。
 茶室での茶会は今年始めてということで、来年も是非! と思ってたら、
 お昼頃にはけっこうな人数が待ってました。
 これは、来年、大人気かも・・・。

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2017年4月18日 (火)

特別展「茶の湯」

 特別展「茶の湯」東京国立博物館(トーハク)で、6月4日(日)まで。
 いつ行くか、悩みどころ。作品リストを見ると、展示替えが頻繁にあるらしい。いずれにせよ、混む絶対混む。
 5月1日(一応平日、月曜日)の夕方に行こうか、いや、金曜か土曜の17時くらいを狙うといいんじゃないか(21時までだから)、と考えるけど、今日の午後が空いていた。13時まで中野で研究会、その後。
 そして行ったことのない、大阪・藤田美術館の出品が4月23日(日)まで。ちょうどいい。

 写ってないけど、人が多い・・・

 新宿で買い物して、上野に13:50到着。平日昼間の上野公園は思ったより人が多い・・特に外国人観光客が。

 会場は正門から左奥、平成館。
 でもとりあえず、まっすぐ進んで本館に向かいます。

 まずは本館
 (写真は閉館直後、17:02)

 本館のロッカー(100円・使用後に返却)に荷物を預けて、鑑賞は身軽が一番。

 14時だときっとまだ混んでる。ならば、と、本館内を進む。トーハクのメールマガジンから情報が入ってるのです。 

 本館14室

 特集「懐石のうつわ」 4月18日(火)~5月21日(日) 本館14室

 がらがら。そして。外国人観光客率、ざっと90%。

 中央のガラスケース
 「漆塗懐石道具」(渡辺喜三郎)
 「織部開扇向付」(美濃)

 陶器
 「桃山様式の懐石具」 

 さりげなく、重文
 「銹絵芦文大皿」(唐津・重文)
 「銹絵草花文平向付」(唐津)

 磁器
 「中国への注文茶陶」

 酒器
 「おもてなしの酒器」

 すごい塗りなんだけどよく写らない

 五代宗哲
 「網絵懐石道具」(五代中村宗哲)

 こんなにあるのに。
 これが茶の湯展に組み込まれてたら、きっと混んでただろーなー。

 トーハクは基本的に撮影OK(撮影禁止のものは表示されてる)、以前確認したところ、営利目的でなければブログ掲載もOKなので、もーがんがん撮っちゃう。観光客のみなさんも「Wow!」とか言いながら撮ってる。

 続いて、東洋館。
 「加賀藩前田家伝来名物裂」 4月11日(火)~7月2日(日) 東洋館5室

 東洋館5室"

 ここはさらにがらがら。こーんなに見放題なのに!

 光ってうまく撮れない

 前田家伝来名物裂をかぶりつきで鑑賞して、振り返ると天目茶碗がどっさり。

 点々のは初めて見た
 「玳玻釉点班文碗」

 タイマイっぽい、すごく
 「玳玻釉茶碗」

 なるほど兎の毛
 「黒釉兎毫班碗」

 そうかと思えば、

 抹茶器にしては小ぶり

 平成館へ急ぐ途中に永楽善五郎(得全)の抹茶器があったりして、油断ならない、トーハク。

 もうちょっと早く来て、ゆっくり見たかったと思いながらも、さて、本編(茶の湯展)。

 14:50入場。全く見られないわけではないけど、あちこちに人だかり。
 あーあれか、静嘉堂文庫の、稲葉天目
 前にも見てるけど、釉薬のたれ具合とかねえ、外側もそこここに青く光る感じがねえ、やっぱり実物は違うねえ。先に東洋館で天目茶碗を見たせいか、国宝・油滴天目の凄さが一層伝わる。

 会期始まって二週目。しかも15時過ぎでこれかー。関西弁があちこちから聞こえて、どうやら遠方からいらしてるご様子。どうなっちゃうの、この先。平成館の前に延々と並ぶのか。「阿修羅展」のときみたいに。 

 中には入れません

 特別展の写真は撮れないので、唯一「撮影可」になっている燕庵の撮影に参加してみました。(その他、いくつかの作品は 「特別展「茶の湯」展覧会のみどころ などに載ってます)。

 まーとにかく、量が圧倒的に多い。16時過ぎに空いて来て、16時半にはどれでも見たい放題になったけど、やっぱり、時間が、足りない、よう!

 16時55分まで何度も行きつ戻りつして眺め(この頃、職員のみなさんは手に布を持って、隙あらばガラスを拭いて回ってた。みんな、張り付かんばかりに見てるからねー。しゃがむしねー。連れがいると語るしねー)、これは何度見ても足りないぞと会場を後にしました。

 第一会場と第二会場の間にグッズ売り場がありますが、16:45には15人ほどの列ができてました。展覧会グッズは閉館間際じゃないときに買う方がいいかも。クリアファイルを買い損ないました。
 道明オリジナル帯締以外にも、道明の帯締の取り扱いあり。茶箱や茶籠、等々、茶道具の取り扱いもあり。

 すごく重い

 図録。およそ、1.4キロ。厚さ3センチ。
 本館のミュージアムショップ(常設展の入場料で入れる)でも買えます。
 (ぱっとみたところ、本館では他の茶の湯展グッズの取り扱いはありませんでした)。

 桜はまだある

 庭園解放で、賑わってた撮影スポット。
 外に出なくても、本館→平成館の途中(建物がつながってる)で、良い具合に庭園が眺められます。

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2017年4月 9日 (日)

花見で一服

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 東京国立博物館庭園でのお茶会は、雨模様。

 自他共に認める晴れ女でしたが、東レ・シルックで色無地を誂えてから、雨に当たることが増えたような・・・。

 草履は晴雨兼用にせざるを得ず、となると、ものすごくよくある色目なので、小さいシールを貼ってみました。

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 下足番の方にお願いするとき、「その、赤いシールの」で通じるのでなかなか便利。

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 庭園解放のときに、随分とまた年季が入った建物だと眺めていましたが、茶室の中はちゃんときれい。

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 最初に入った作家席(春巧会)で、とりどりの道具に、おおっ、素敵! と秘かに騒ぎ、
 待つ→花見→お茶→待つ→花見→お茶を繰り返し、

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 帰りは向島まで足を伸ばして、また花見。
 お茶と花見とおしゃべり三昧。なんとまあ贅沢な一日。

 そして、今朝はけっこうな雨。

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 クルマも桜まみれ。

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 茶会でご一緒したバジルさんからいただいた「桜の浮島」と、甘春堂「つくし」の有平糖で、
 今日もこれから、花見で一服。


* いつもお菓子でお世話になってるバジルさん、「やさしい和菓子作りの会」を始めたそうです! → やさしい和菓子作りの会☆ご案内

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2017年3月21日 (火)

廻り炭五家宝

 小川町へ行った帰り道。
 圏央道の菖蒲PAで、見つけてしまった。 

 チョコレート五家宝

 熊谷銘菓・五家宝、のチョコレートがけ。ではあるけど。

 味はまあまあ_154253_2

 廻り炭の後の、丸ぎっちょにしか見えない・・・。

* 七事式「廻り炭」は、炉の中の炭をあげたりついだりするので、炭が灰まみれになります。「きなこまぶし、だねぇ」の後に、「・・・五家宝」とつぶやいたら、大笑いになりました。

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2017年3月20日 (月)

小川町/細川巻紙・煤竹

 小川町方面に用事がある、と家人が言うので、ついていきました。
 わたしの目的地は、ここ。

 埼玉伝統工芸会館

 埼玉伝統工芸会館(埼玉県比企郡小川町小川1220)

 正確には、この中の売店。(何回か行って、おもしろいのはわかってるんだけど時間が・・・)

 細川巻紙

 「特上 細川巻紙」。
 これが買いたかった。
 百貨店の文房具売り場で買った白い巻紙(600円~700円くらい)は、へたくそな字が滲みまくって悲惨なことに。
 弘法じゃないから、筆と紙選びまくり、とうそぶいて、1本1,500円です。 

 榛原謹製

 実は、こんなすごいのをいただいてるのですが、まだ出番が・・・。
 (さすがにこれは、かっこよく散らし書き風でいきたい)。

 さて、昼食に訪れたのは、こちら。 

 けっこう坂をのぼります

 重要文化財 吉田家住宅 (埼玉県比企郡小川町勝呂423-1)

 土間の囲炉裏

 一年中火が焚かれている、という囲炉裏。

 国産の煤竹はどのくらいあるのか

 ・・・これは、いい煤竹ができるでしょうよ・・・。

 板間の囲炉裏

 囲炉裏は二箇所にあって、煙もくもく。
 「帰ると、ヨシダのにおいがするー、と言われます」とお運びの方が話してくれました。
 煙草は全くだめですが、この煙はなぜか平気。 

 二階からの板間

 二階にあがって、下をみたところ。

 薄板一枚

 当たり前といえばそうなんだけど、
 二階の床板から漏れる光が、踏み抜きそうでちょっとこわい。

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2017年2月 5日 (日)

初釜シーズン終了(前礼・後礼で使うもの)

 立春を迎え、初釜シーズンも終了。
 (ほんとは、今くらいの日差しが「新春」の風情だけどねえ)。
 前礼・後礼の手紙(巻紙)には、今年もこれが活躍。

 巻紙セット

 巻紙。
 巻紙下敷き。
 開明の万年毛筆。
 書鎮作り講座で作った書鎮。

 まず、巻紙
 巻き方で、「おやっ」と思う方がいらっしゃるかも。

 「巻紙は表面(字を書く面)を外側にして巻いてあり、紙の継ぎ目(重なり目)は右側が上になっています。もし違っていたら、巻きなおしておきます」(「続・茶の湯の手紙文例集」(p24) 淡交社 2004) 

 巻紙

 つまり、こういうこと。
 左手に巻紙を持ち、右手に筆をもってさらさらと書く・・・となると、確かにこの形じゃないとね。
 でも。

 左前

 この巻紙は、紙の継ぎ目が、逆。
 見えにくいけど、左の紙が上になってます。
 さらに、どうも、内側の面が書きやすい。
 巻きなおすのもめんどうなので、そのままです。
 
 A4判で作った巻紙下敷き、なんと、今は販売されてるようです

 そして、かれこれ10年以上使ってる、開明の万年毛筆

 万年毛筆じゃなく、筆がいいってのはよっく承知してますが、
 インクカートリッジが残ってるのに文字がかすれるようになったので、穂先を水につけながら書いてみたところ・・・、墨の濃淡がついていい感じになりました。
 いっそこのままでいいかと思った矢先、出先で筆ペンを使う機会があり、案の定インクが出ずに使えず失敗。やはり、「筆ペン」は持ち歩いてこそ。

 穂先の手入れ中

 以前、メーカーに「手入れ不足か、買い替え時か」を訊いて教わった穂先の洗浄をしたら、元通りになりました。「長年ご使用になりますと、インキの通り道に少しづつインキのカスが付着していきます」ということです。

【穂先の洗浄】
 ・キャップ、尻軸、インキを外し、首軸(穂先)のみをぬるま湯(35~40度)に半日程つける。
 ・かすれ、乾燥の程度がひどい場合は、お湯をかえて数回繰り返す。

 巻紙押さえに最適な、書鎮作り講座で作った書鎮は、辞書を押さえるには、もう一回り大きくて重い方がいいかも。希望により、ときどき講座を開設しているとのことです。もうひとつ作るかどうか、思案中。

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2017年1月 8日 (日)

花びら餅の向き

【花びら餅】
 京都の名菓。古く「お歯固め」の儀式などに用いられた菱葩(ひしはなびら)を菓子化したもので、丸くのばした白餅に、小豆汁で赤く染め菱形にのばした餅を重ね、帛紗牛蒡を二本、味噌餡とともに包む。押鮎に見立てたもので、初釜に用いられる(鮎は年魚とも書き、古くより年始に用いられた)。(「新版 茶道大辞典」 淡交社 2010)

 さて。
 ここで毎年の疑問。
 どっちの向きだっけ?
 どっちが多いのかと、手元の本で調べてみました。

 鶴屋八幡製

 ・「明日への茶道入門」 千宗室編 (淡交社 1994 改訂2版) p26
 ・「NHK趣味悠々 和菓子まるごと大全集」(日本放送出版協会 2001) p106
 ・「NHK趣味悠々 茶の湯~裏千家~ はじめてみよう 茶の湯を」(日本放送出版協会 2002) p69
 ・「家庭画報特選 家庭画報が選ぶ和菓子435選 楽しむ・贈る・取り寄せる」(世界文化社 2005)p26
 ・「淡交ムック 茶の湯入門シリーズ 「お茶事」をしてみませんか」 小澤宗誠 著(淡交社 2004) p20

 432円(税込み)

 ・「茶道文化検定公式テキスト 1級・2級用 茶の湯をまなぶ本」 財)茶道文化振興財団 監修 (淡交社 2009) p224
 ・「裏千家 茶道文化検定公式テキスト 3級・4級用 茶の湯がわかる本」 財)茶道文化振興財団 監修 (淡交社 2009) p96
 ・「裏千家茶道」 千宗室 千玄室 監修 (財)今日庵 2004)p334
 ・「学校茶道 初級編」 千宗室 監修 (財)今日庵 2003)p70

 ねー迷うでしょう。

 もっとも、下の写真の向きで載っている本は、すべて、同じ独楽盆を使用しているため、おそらく同じ写真だと思われます。たぶん、多数派は上の写真。ざっと確認しただけですが、菓子屋のホームページに載ってたのもすべて曲線が下。

 ときどき、初釜の話題になったりして、「菓子屋としては、綴じ目が上になるのはありえない」「むかーし、間違えたまま本に載ってしまい、そのままになっている」なんていう話も聞きましたが、個人的には「まあ・・・、神様に差し上げる向きとか言い出すとキリがないし・・・、どっちでもいいんじゃない?」。

 だがしかし。特に子どもは生真面目なので「どっち?」と訊いてきます。えー。でも仕方ない。こう答えます。
 「押鮎、っていう魚を模してるということだから、ふくらみを下にしておくけど、でも、どちらかが間違いってことでもないから」。

 正解なんてわからないし、まして断言なんてできません。なぜなら。

 そう言うわたしがよく締めている帯、こうなってます。

 12か月の和菓子が描かれてます

 諸説ある年中行事とかしきたりに関して「絶対! こっちじゃないと駄目!」と息巻く人が苦手なので、まあ、それでいいかなあ、と思ってます。

*写真の花びら餅は「鶴屋八幡」製。「味噌と餅と牛蒡がばらばらで、あんまりおいしくない」と、あちこちのを食べて苦言を呈していた母が、「あらま。これはおいしい。一体感がある。いつまでもおいしい」と喜びました。ちなみに向きの問題を聞いてみたら、「こっち(多数派)が取りやすい」そうです。

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